はじまりはミステイク



『俺が圭吾先輩に?あー、無理だね』


圭吾くんの実力を知らないけど、藤山がそう言うってことは結構強いのかな?


『俺が負けたら?』


「告白の返事を断る」


『は!?何言ってん』


「勝つ自信ないの?私はね、藤山が勝つって信じてんの。これくらい応援してもいいでしょ」




最後に、応援させてよ。


彼女として、応援させてよ。




『……うん、分かった』


「私に告白させたかったら勝ってね」


『その約束は変だけど、まぁ頑張るね』


そして、そのまま電話を切った。


明日、藤山との関係は終わる。


きっと藤山が、勝つ。


勝って、私との関係を終わらせるつもりだと思う。


だって、藤山だもん。


一つ、涙がこぼれた。


「なんで涙が出るの?」


涙を拭うとまた一つ涙が姿を現した。


藤山が、私の隣からいなくなる。そう考えたら、少し寂しくなったんだ。



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