はじまりはミステイク
「はぁ、放課後になっちゃった」
次の日。こういう時に限って時間はどんどん過ぎていき、あっという間に放課後だ。
「一緒に行こうか?」
「ううん。大丈夫行ってくる。一華ちゃんはバイト頑張ってね!」
一華ちゃんへ手を振って、彼女と別れようとした時。
「私今日さ、人手足りてるからってバイト休みになったんだ」
ふっと笑う一華ちゃん。
「だから、教室で待ってるから行ってらっしゃい」
彼女には昨日の藤山との電話のことを話した。
朝はバイトがあるから一緒に行けないやって言ってたのに。まさか、バイトが休みになったのって人手が多いからじゃなくて、私のためにしてくれたこと?
「コラ、余計なこと考えないで」
「だって嬉しい〜」
「まりりんのためとか言ってないじゃん。ほら行ってきな」
そう言って私を送り出してくれた一華ちゃん。
今度絶対お礼しよう。そう思いながら体育館へ向かった。
少数ではあるものの私と同じギャラリーがいた。ちなみに女子生徒ね。