はじまりはミステイク



「はぁ、放課後になっちゃった」


次の日。こういう時に限って時間はどんどん過ぎていき、あっという間に放課後だ。


「一緒に行こうか?」


「ううん。大丈夫行ってくる。一華ちゃんはバイト頑張ってね!」


一華ちゃんへ手を振って、彼女と別れようとした時。


「私今日さ、人手足りてるからってバイト休みになったんだ」


ふっと笑う一華ちゃん。


「だから、教室で待ってるから行ってらっしゃい」


彼女には昨日の藤山との電話のことを話した。


朝はバイトがあるから一緒に行けないやって言ってたのに。まさか、バイトが休みになったのって人手が多いからじゃなくて、私のためにしてくれたこと?


「コラ、余計なこと考えないで」


「だって嬉しい〜」


「まりりんのためとか言ってないじゃん。ほら行ってきな」


そう言って私を送り出してくれた一華ちゃん。


今度絶対お礼しよう。そう思いながら体育館へ向かった。


少数ではあるものの私と同じギャラリーがいた。ちなみに女子生徒ね。



< 177 / 246 >

この作品をシェア

pagetop