はじまりはミステイク
どういうこと?
圭吾くんが去った階段を見つめる。
「ねぇ、今の聞いた?」
「片思いさせてって、あの子が圭吾の好きな人かな?」
近くにいた女子がヒソヒソ話す声が聞こえた。
しまった。
そう思って一目散に教室に帰った。
「バレたみたいだね」
もう一華ちゃんにも、いや、クラスメートにも話は広がっていた。
「天木、なんで圭吾フったんだよー」
「あんな素敵な告白されたのに勿体無い〜」
男女ともに様々な質問が飛び交う。
ていうか、さっきの今で情報回るの早すぎ!
「一華ちゃん、助けて……」
「助けても何も、言ってきたのは圭吾くん本人だからねぇ。そりゃ広まるよ」
え。
今、何とおっしゃいましたか?
昼休み。
「圭吾くん!」
私は圭吾くんのクラスへ乗り込んでいた。ターゲットは呑気にお昼ご飯を食べているようだ。