はじまりはミステイク



「その約束って」


「私、圭吾くんに断ったこと。それで怒ってるんでしょ?」


そう言うと藤山は目を見開いた。


「え?」


「え?違うの?」


少しの沈黙が流れる。


え、もしかして、藤山……知らなかった感じ?=私は墓穴を掘ってしまった!?


「あ、いや、ごめん!今の忘れて!」


ヤバイヤバイ、余計怒らせる。必死に謝るも藤山の表情は……怖めだ。


「何やってんの。言えって言ったよね?」


「い、言ったけど、でもそんなすぐ乗り替えるとか嫌だし」


「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。両思いじゃん」


この言葉に、なぜかムカっとした。


「私の気持ちなんて知らないくせに、分かったようなこと言わないでっ。もういいっ!」


言い逃げとも言える行動を取った私。藤山に言うだけ言って、自分の教室へと向かった。


そりゃ、約束を破ったことは悪かった。


反省してるのに……それでも何よ、あの説教は。


ムカツく!



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