はじまりはミステイク



「言ったじゃん。意外とお似合いだねって」


「嘘、言った!?」


「少しくらい自覚あんのかと思ってたよ」


圭吾くんのことで頭がいっぱいなのに、藤山のことまで考えるとなると……頭がパンクする。


そうか、それだからなのかな。


今日も藤山と会ったんだけど、思いっきり避けられた。声を掛けようとしても、あの藤山の友達のマツって奴にわざと話しかけてさ。


その姿を見るだけですっごくイライラして腹が立って……悲しくなった。


「でもさ、藤山が私を避ける意味が分かんない!約束を破ったことは申し訳ないと思ってるけど、でもそれは別に藤山にとってプラスにもマイナスにもならないじゃん!?」


私が圭吾くんに告白しようがしまいが、アイツには関係ないっ。


「ダメだ!こんな愚痴ばっかり吐いてちゃ時間が勿体無い!テンション上がる曲入れよう!」


歌って、踊って、無理やりにでも藤山のことを、圭吾くんのことを、考えないようにした。



< 197 / 246 >

この作品をシェア

pagetop