はじまりはミステイク
まったく、うるさ……え?
「あれ?藤山?」
騒いではいないけど、その集団には藤山の姿があった。かすかに笑う横顔が見える。
うぅ……胸がキュンとする。
今までだけじゃない。今も藤山に胸がときめく。
……もう、藤山に恋てたじゃんか。
そう思いながら藤山を見ていると、藤山がこっちを見た。
ん?こっちを見てる!?
私はすぐさま近くの木に隠れた。
バレた?バレれてない?
そう思いながらコッソリ木から顔を出す。藤山は集団と話しているようだ。
……こんなことしてても無駄だ。帰ろう。
隠れるのをやめて家路へ向かった。
どうせ、藤山が女の子と話すのを見て、モヤモヤしちゃうだけだし。
そう、自分に言い聞かせて。
そして、藤山を好きだと気付いた日から、藤山のことを意識してしまっていた。
たまに校庭で体育をする姿を見れる時があるんだけど、その時も教室から自然と藤山の姿を探していた。