はじまりはミステイク
「普通、好きな人の部活くらい把握済みよね?ほら、圭吾くんが軽音部でギターしてるのを知ってるみたいに」
し、しまったぁ。私としたことが……。
「で、でも、藤山は何も聞き返さなかったよ?」
「それは藤山の優しさかただの鈍感だね」
「……出来れば前者じゃないことを願いたい」
「同じく。でも、デート出来ることになったんだし、そのことを1番に考えていいんじゃない?」
一華ちゃん……。
「まぁ、告白が嘘ってバレた時はその時はその時だ」
「何その最後の投げやり」
「バレた時はしらばっくれないで白状することだね」
それなら早めに白状したい。……言えなかったけど。
「でも、まりりんの気持ちは嘘じゃないでしょ。それなら尚更デートを楽しんでほしいよ」
一華ちゃんの言葉に大きく頷いた。
藤山とデート。
ん?
圭吾くんが好きなのに、私って藤山とのデートを楽しみにしてる!?
「……何か間違えてる?」
「ん?何か言った?」
「ううん、大丈夫っ」
…………うん、大丈、夫?