はじまりはミステイク
「一華ちゃん。一華ちゃんだって!」
「う、う、うん」
一華ちゃんはほんのり頬を赤くする。
なんということでしょう。
自分が願っていたことがこんな形で叶うなんて!
「コイツ、結構前から坂下のこと気にしてたんだ。だから、花火も坂下が来るって聞いたから連れてきたんだよ」
「そうだったの!?」
「おい、余計なこと言うなよ」
おや?竜くんも少し照れてる。
「これって告白?」
一華ちゃんが竜くんに聞く。
「そうなるかな。でも振ってくれていいよ。ムードの欠片も何も」
「お願いします」
一華ちゃんからの返事に私はニヤける。
「私も気になってた。だからよろしく」
「あ、うん。こちらこそ」
なんと、一華ちゃんと竜くんカップルが誕生した。私と圭吾くんだけでなく、クラスにいた他生徒も祝福するという、一時幸せコールで溢れたのだった。