はじまりはミステイク
たしか、圭吾くんと話すために兼一緒に行けるように正門でスタンバッてた気がする。懐かしいや。
ん?
良いこと思いついた。
次の日の午後。
「うー寒いっ」
マフラをグルッグル巻きにして、正門なから出てくる生徒の中からある人物の姿を探す。
毎年、芸術鑑賞の時は、学校から徒歩5分の文化ホールへ移動をするのだ。
「ったくどこいんのー?」
その人物とは、藤山だ。
「なかなか来ないね、藤山」
そう言う一華ちゃんは、両手をポケットに入れて寒さをしのいでいる。彼女も私に協力してくれているのだ。
「あっ、来た」
「どこ!?」
見つけた。
黒のマフラーとブレザーの中にグレーのパーカー、そしてちゃっかり手袋までしてる藤山。結構な寒がりだな、あの子。
どんどん藤山との距離が縮まる。と、藤山と目が合った!が、奴はすぐさま目をそらした。