はじまりはミステイク



アイツ、今何て言った?


そりゃ、間違えて藤山に告白して付き合ったんだから、悪いとは思うよ。でもそれが嬉しくないとか知らないし!


ていうかむしろ、それが圭吾くんの告白を断った理由じゃないんですけど!


「バカ!」


なんて鈍感な奴。


私の気持ちには1ミリも気づいてないんだね。


そんな奴に好きなんて言うもんか!




……とは、言ったものの。


「一華ちゃん、席あっちの方に行きたい」


「行かせてあげたい気持ちは分かるけど、学年別だし、藤山の隣は無理があるよ」


会場に入り、隣に座る一華ちゃんにすがりながら目線は……藤山のもとへ。


私の席から(かなり)斜め前方の方に藤山が座っている。


そして、奴の右隣は……女子だ。


「なんっで隣が女子かなー。モヤモヤするー」


「ふふ。まりりん、結構ヤキモチ焼きだよね」


「……だって、好きだもん。だからああいうの見ると超イライラする」


藤山が隣の席の女子と笑いながら話してるのが見える。



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