はじまりはミステイク
明後日の放課後。
誤解も何もかも全部解いて、この気持ちを伝えよう。
きっと藤山は驚くだろう。
そして、フってくれるだろう。
それから完全に嫌われちゃえばいい。もう藤山のことなんて考えたくないくらい、嫌われちゃえばいい。
それから……新しい恋に進めばいい。
「隣いい?」
頭上から圭吾くんの声が降ってきた。
「ここは一華ちゃんの席で」
「坂下、俺と交代するって。ほら、竜の隣にいるだろ?」
圭吾くんの指差す先には、一華ちゃんと竜くんが笑い合ってる姿があった。
「いつの間に……」
「こういう時こそ気を利かそうじゃん。じゃ座るな?」
そう言った圭吾くんが席に腰を下ろす。
「藤山のとこ行ってたんだって?」
「うん。ちょっとケリつけたいことがあってね」
「ふふっ、そっか」
圭吾くんがケータイをいじる。何やらゲームをしているようだ。