はじまりはミステイク
今でさえ避けられている状況だ。
避ける以上のことって、ラインをブロックされて目も合わせてくれなくて、同じ空気も吸いたくねぇとか思われるのかな?
ダメだ、超ネガティヴになってしまう。
数学の問題を見たくない。
問題を見たら、藤山と勉強したことを思い出してしまうから。
「やっと放課後だ……」
「今日も長かったね。お疲れ」
そう言った一華ちゃんは、お先にとバイトへ向かった。
「部活……見に行ってもいいかな」
今日だけ。
ううん、今日まで。
私はカバンを持って、武道場へ向かった。
「あれ?天木だよな?」
隠れるようにして武道場のあるドア付近にいると、圭吾くんから声をかけられた。
「あは、は。やっほー」
「なに。見に来てくれたの?」
「うん。まぁね」
剣道着姿の圭吾くん。