はじまりはミステイク
「気になるのはわかるけど、お父さんデリカシーなさ過ぎ。茉利は今日は大変なの。だからそんなに問い詰めないで。ね?」
そう言ったお母さんがふっと微笑む。
「そうそう。女の子の事情があんの!だから、お父さんは私を可愛い可愛いって送り出してくれればいいの」
お母さんは分かっているのかもしれない。でもお父さんはまだあーだこーだ言ってる。
「もーあたし行くね!行ってきまーすっ」
鞄を持っていつもの履きなれた靴を履いて、玄関を出た。
今日の天気は、快晴。
「うーっ、寒い寒いっ」
晴れてるけど冷たい風が体にささる。三つ編みのゴムほどいてミディアムの髪を露わにする。
そして、マフラーを巻き直して手袋を装着し、愛用しているチャリにまたがり学校へと向かった。
今日の放課後、藤山に告白をする。
チャリをこぎながふと空を見上げる。
藤山に、告白をする。
そのことを考えると胸がドキドキする。
心臓が口から飛び出ちゃいそうな勢いなんだ。