はじまりはミステイク
でも、伝えたい。
今の関係のままじゃ、嫌なんだ。
藤山がいいんだ。
藤山が好きなんだ。
「よーし、頑張……」
キキーッ!
危機一髪で横から出てきたチャリとぶつからずに……すまなかった。
ガンッ
少しだけその人のチャリとぶつかってしまった。
「わっ!すんませんっ」
大慌てでチャリから飛び降りて、その人の元へ駆け寄る。
相手は男子校生。
うわ、男の子じゃん。怖そうな人だったらどうしよ……
「あ、俺こそすみません……って、あ」
その人が顔を上げた。
「あぁっ!ってえぇ!?ふ、藤山!?」
私がぶつかった人は、なんと藤山だった。
「怪我ない?大丈夫!?」
藤山に驚きつつも、藤山の心配をする。だって、この怪我で剣道の試合とか出れなくなっちゃったら大変だもん。