はじまりはミステイク
「藤山と付き合えたの!告白上手くいったのっ。よかったよ〜!!」
「よかったよーっ。読書全然集中出来なかったし」
一華ちゃんが私の背中を何度もポンポンしてくれた。
周りの目は少しだけ恥ずかしかったけど、今の私には関係ない、無敵だ。
「もー、放課後とか言ってたから油断してたよ」
「私こそね。でも放課後まで待ちきれなくて、藤山にぶちまけたよ」
本当によかった。
気持ちを伝えて、本当によかった。
「ヤバイよ〜。今日はニヤニヤしちゃう。顔が緩むーっ」
「ちょっとー、幸せオーラ飛ばしまくらないでね。私まで集中出来ないじゃん」
そう言ってた私の頬をつねる一華ちゃんだけど、その顔は笑ってた。
好きな人と両思いになる。
こんなに嬉しくて、幸せなことはない。
「授業始めるぞー」
そう言って、教室に入ってきた数学の先生。先生の登場に渋々席に着く私。
それでも気持ちは落ちない。