はじまりはミステイク
「そろそろ帰る?」
「そうだね」
気がつけば、空には夕焼けが広がっていた。
「そうだ。前、昼休みに話があるって言ってたのって、さっきの告白の話だったりした?」
「え」
「あの時もすごく言いにくそうだったし」
藤山、もう思い出さなくていいよ。
「あはは、まぁ……でも今日言えたからよかった。ごめんね、すぐ言えなくて」
「ううん、むしろ言ってくれて俺もすっきりした」
藤山、なんていい奴なんだ。
「改めて、これからもよろしく」
「こんな私だけど、しばらくよろしくね」
「一緒にいてなんだかんだ楽しいけどね」
「私も!藤山のこといっぱい知れて嬉しいよ」
圭吾くんの後輩ってこともね。
「そうだ、今度第一体育館で試合あるけど見に来る?」
「うん!剣道部の藤山見てみたい」
「面被ってるから顔は見えないよ。姿格好だけね」
言われてみればそうだ。