はじまりはミステイク
それから、出来るだけ集中して英語のテスト範囲を復習した。頭の中は英語だらけ。もちろん、単語と意味は繋がりきれていないけどね。
「ヤバイ……頭痛い。英語が頭の中を……」
「よし、ここまでにしよう。まりりん、そろそ」
「終わり!?やった!」
やっと勉強から解放される嬉しさで飛び上がって喜んだ。
「一華ちゃんは今からバイト行くの?」
「うん。テスト前とテスト期間は短時間だけシフト組んでもらった」
「それでも成績いいなんて羨ましい」
「まりりんも努力すればいい時はいいんだから、もっと真面目にしなさい」
はーい。一華先生の言葉に右手を上げて返事をする。荷物を持って図書室から出て、廊下を歩いていると、
「ん?ギターの音がするね?」
「バンド?あっ、軽音部の音かな?」
軽音部=圭吾くん!?
「一華ちゃん、私ちょっと行ってくるっ」
「家に帰ったらさっきのところの復習するんだよー。じゃ、先帰るね」
そして、一華ちゃんと分かれた私は軽音部の元へ向かった。
「ここだ」
ドア越しにバンドの演奏を聴く。