はじまりはミステイク



「藤山、また一段と強くなったな」


「相手先輩だろー?」


圭吾くん達の会話を聞いて嬉しくなった私は、


「藤山ナイス!」


つい、大きな声を出してしまった。げ、マズかった……かな。私は縮こまるようにして一歩下がった。


すると、面を取って正座をした藤山と目が合った。


あっ……アイツ笑ってる。


「一華ちゃん見える?藤山が笑ったよ」


「ん?そう?あたしには見えなかったな」


へへ、私だけが気づけたなんて嬉しいな。


そして、この団体戦の試合で勝利した藤山達は、また試合があるらしいが、一旦休憩を取るらしく体育館から姿が見えなくなった。


「飯でも食いに行くか。天木達も行く?」


圭吾くんからのお誘い!?


「まりりんどうする?」


「あっ、その一緒にいいかな?」


「よし、決まりな。じゃ近くのファミレスに」


「その前に、ちょっと私行きたいところがあるから、先に行っててもらえる?」


行きたいところはただ一つ。



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