はじまりはミステイク


「じゃあ、まりりんは後から合流ね。圭吾くんとお友達の方、先に行こう」


一華ちゃんが私にしか分からないようにウインクをする。ありがとう、一華ちゃん。


そして私は一目散に体育館を出た。


「休憩ってどこでするんだろう……」


入り口でキョロキョロと辺りを見渡す。


「見っけ」


誰かにポンっと肩を叩かれた。


「藤山っ!お疲れ様っ」


剣道着姿の藤山。髪からは汗がこぼれている。


「まだ1試合しかしてないけどね」


「すごいよ。カッコよかった!」


「ん、どうも」


ふっと笑う藤山。


「緊張した?」


「先輩達の中で試合するから、変な汗かきまくりだよ」


そっか。緊張するよね。


「午後からも応援するから頑張ってね」


「ありがとう。あまり今からご飯?」


「うん。一華ちゃんと、あと圭吾くんも来てたから一緒に食べてくる」


「そっか。浮気しないでね」


「!?」


「冗談だよ。行ってらっしゃい」


ふ、藤山が変だ!!



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