はじまりはミステイク
「そうそう。来るもの拒まず、的な」
ええ?
「いや、今の言い方は変か。遊ぼうって誘われたらおーって行っちゃう奴」
ふ、藤山ってそんな奴だったの!?
「何それ。藤山って女遊び激しい奴なの!?」
「女遊びが激しいっていうか、平等っていうの?声かけた奴とは話すみたいな」
「でも藤山はあんまり話を聞いてなくて、女子に怒られてる姿も見たことあるわ」
ふ、藤山って、女子にだらしないのね。
「お待たせいたしました。スマイルハンバーグセット……」
「ふんだっ。応援に来た私がバカだった!」
店員さんの言葉を遮って、私はバクバクと、ハンバーグを食べだした。圭吾くんに引かれたくないけど、今は怒りが収まらない。
『浮気しないでね』
だからさっき、あんな言葉だってアイツは言えたんだ。
「一華ちゃんっ、私これ食べたら帰るね!」
「え、でも藤山は」
「あんなタラシ知らない!帰って寝させていただく!」
そんなこんなで、私は食後は自宅へ直帰したのだ。