はじまりはミステイク
❤︎頭撫でんのは反則だって
「あまり」
「……」
「あーまりってば」
「…………ふんっ」
藤山の試合の翌日。朝から学校駐輪場で藤山とバッタリ会った私。藤山から声をかけられてもガン無視だ。
「何怒ってるの?昨日からラインしても既読無視。声かけてもガン無視。試合にも午後からいなかったし、どうやったら話してくれるの?」
「そんなの自分で考えてっ」
早足で靴箱へ向かう。後ろから藤山が追ってくる足音が聞こえる。
「分からないから聞いてるんだけど」
イライラの収まらない私はクルッと振り返り、藤山に言う。
「藤山に幻滅した。以上!」
「は?」
「当分話しかけないで。しばらくは藤山と話したくない。顔も見たくない」
そう言い放って再び歩き出そうとすると、藤山に左肩をつかまれた。
「待ってよ。俺も言いたいことあるんだけど」
「何?」
「なんで圭吾先輩と一緒にいたの?」
「たまたま試合会場で会って、そのまま合流した。それだけ」