はじまりはミステイク
藤山には関係ないじゃん。第一、私が圭吾くんのことを好きって知ってるじゃん。
「浮気しないでねって言ったよね。ご飯まで行ってさ」
「それだよ藤山っ」
来た。その発言。
「軽々しい男め!もう話しかけないでっ」
私は上履きに履き替え、教室までダッシュして藤山から逃げ去った。
「まりりん、藤山来てるけど」
「追い返して。顔も見たくない」
休み時間、藤山が教室に来た(らしい)。でも、一華ちゃんに追い払ってもらった。
「ねぇ、理由も話さずにいたらダメじゃん、まりりん」
「……分かってるよぉ」
分かってるもん。
私が変な意地張ってるのも事実だし、藤山を困らせていることも分かってる。
だけど、嫌なんだもん。
昔の藤山を知りたくて聞いただけなんだけど、女の子慣れしてるのかなって思うと……嫌だ。
「だから、あの告白もオッケーしてくれたのかな?」
「聞かなきゃ解決できないよ」
「うー。なんで藤山にこんな怒ってんの〜私〜」