はじまりはミステイク



『で、俺と話したくない理由教えてよ』


う、直球。


「中学の時の藤山は、どんな藤山だったの?」


『え?中学の俺?……んー、普通』


「嘘だ!タラシだったんでしょ」


『は?タラシ?俺が?ありえない』


「だって、圭吾くん達が言ってたもん!」


電話越しに藤山がため息を吐く。なに、これって肯定してるの?


『何を言われたかは分からないけど、女友達は何かと多い方かも』


「ほらー!」


『兄貴繋がりで先輩とかその妹とか知り合いがいたからね。まぁ普通の友達だけどね。ほら、兄貴チャラ男だって言ったじゃん』


たしかに言ってたけど。


『その女子ともほぼ男友達と同じ感覚で遊んだし、友達以上には思えなかったよ』


「言い訳しても通用しないもんね!」


『あまり、何をそんなに怒ってるわけ?』


「そっ、そんなの私が知りたいよっ」


なんでかな。


過去の藤山なんてどうでもいいのに、気になるんだ。


女友達が多いのも悪いと思わない。だけど、なんかモヤモヤするんだ。



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