はじまりはミステイク
『妬いてるの?』
昔の藤山に?昔の藤山の周りにいた女の子に?
「そんなわけないでしょっ。年上をからかうのもいい加減に」
『外見てよ』
え。
『ほら、早く窓開けてみて』
藤山に促されるまま、部屋の窓を開ける。外を見渡すけど、何も見えない。
でも、この誘い方って……もしかして藤山来てくれてるの?
「……ねぇ、外いるの?」
『さぁ?』
え!?
「どっ、どこいんの!?」
キョロキョロ辺りを見渡すも人影はない。
「出てきたらボッコボコにするんだからっ」
『ははっ、俺何もしてないのに』
「ちょっとー、笑ってないで早く顔を見せなさいよ」
『あまりん家知らないのに、家に行けるわけないよ』
・・・WHAT?
『応援途中でブチったから仕返しね』
顔を見なくても分かる。藤山がバカにしたような顔が脳裏に浮かぶ。
「こんのぉ藤山ぁ、明日学校で会ったら覚悟してなさいっ」
『楽しみにしてるねー、じゃあね』
そのまま電話は切れた。