はじまりはミステイク
「それくらい分かってるよ。あんなに勉強してたのにね」
「努力が実らなすぎて泣けるー。そういう藤山はどうだったの?」
すると、藤山が立ち止まった。
「これ」
廊下の掲示板を藤山が指差す。その先には驚きの光景があった。
【1位 藤山大希】
「この藤山って、藤山のこと?」
「うん、俺」
「藤山って大希って名前なの!?」
「驚くとこそこなの?」
いや、ダブルでびっくりなんだけど。
「頭良すぎでしょ」
「今回はたまたまだよ。いつもは5位くらいだし」
その世界、私はシラナイデス。
「それで、補習ってことは学校来るってこと?」
「そうなるよね。夏休みまで学校なんて来たくないのに」
「え?俺は嬉しいよ」
へ?
「しばらくあまりの姿を見れるってことでしょ。デートの約束をしなくても、会えるってことでしょ」
藤山が真面目な顔してそんなことを言うから、私は何言ってんの?って笑えなかった。
そっか、藤山部活だから、夏休みでも学校来るんだ。