はじまりはミステイク



玄関へ向かい、靴へ履き替える。玄関を出てすぐの階段のところに、誰かが座っているのを見つけた。


背中しか見えないけど男子生徒。そして、その男子生徒の隣を何気なく通った。


「お疲れ様」


「!?」


イキナリ声がしてビックリして立ち止まる。えっ、ココには私しかいないんだけど。おそるおそるその男子生徒を見る。


「そんなに驚いてくれてビックリしたよ」


その男子生徒は、藤山だった。


「な、な、何してんの。そして、荷物多くない?」


「あぁ、これ合宿の帰り。終業式から今日まで合宿だったんだ」


何ですと?


「え、じゃあ学校には来ていなかった、と?」


「うん。あれ?言ってなかった?」


ええ、一言も耳にしておりませんけど。


「4日分の期待を返せ!」


「そんなに俺と会うの期待しててくれたんだ。ありがとう」


「ちっ、ちが……っ」



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