はじまりはミステイク

「んー美味しいっ。勉強を頑張った後のデザートは最高っ」


「うわ、これ甘いな」


「どれどれ、味見してみようじゃないか」


「そう言って俺の分も食べる気なんじゃないの？」


「ちょっとーそこまではって……んん″！？」


藤山がビターチョコクレープを私の口へ押しやった。


「どう？美味しい？」


「お、おいひいも何も」


「ぶっ、あまり口の周りチョコだらけだ」


笑いを堪えられなかった藤山が吹き出した。


誰のせいで……！私は慌てて紙ナプキンで口周りについているらしいチョコを取る。


「まだ付いてるよ。ココ」


「んもーっ！」


「ふはっ、悪かったって。許してよ」


この借りは絶対返させてやる。と思ったけど、ビターチョコクレープは美味しかったし、勉強も教えてもらったし……この怒りは他へ吹き飛ばそう。


「ん？ちょっと待って、藤山」


「どうしたの？」


私はあることに気づいた。