はじまりはミステイク
「ねぇ、今のって間接キス?」
・・・・。
「あぁ、そうだね。そうとも言えるかも」
私が言ってから気づいたらしい藤山は、何事もなかったかのようにクレープを食べ始める。
「やだ、藤山と間接キスしちゃった!?」
「そんなに驚くことでもないでしょ」
「驚くよっ。初間接キスが〜」
「間接キスをカウントする人いる?」
このやろ、乙女心を何も知らないのね!?
「い、今のはノーカウント!うん。何もなかったっ」
それから妙に藤山を気にしちゃったけど、他の話をしているうちに間接キスのことはすっかり頭から抜けていた。
「そういえば、藤山って今までも誰かに勉強教えてたりしたの?」
「んーまぁ。それが理由で女友達が増えた感じ」
「え?」
「中学ん時にクラスの女子達が周りに来て、勉強教わりたいって言うから一緒に勉強してた。もちろん、他の男友達もいたけどね」