はじまりはミステイク
「一華ちゃん!今日はバイト何時まで!?」
『……眠い。今起きたんだけど』
「答えになってないっ。バイト何時まで?」
『今日は休みだけど』
「なら、決まり!今日は一緒に花火大会に行こう。圭吾くん達も一緒に!」
先程決まった内容を一華ちゃんへ伝える。
『ん?藤山と行くんじゃなかったの?』
「熱出たって。今頃うなされて寝込んでんじゃないのかなっ」
『まりりん、怒ってるの?』
「怒るよ!お見舞いに行きたいのに家を教えてくれないし、それに……圭吾くんと花火大会行け的なこと言ってるし」
私が浴衣を着るって張り切ってたのは、藤山と行くからだったのに。
藤山にちょっとでも可愛く見せたかったからなのに。
『あたしはいいよ。圭吾くん達はオッケーしてるの?』
「うん!もう待ち合わせ場所まで決まってる」
『……早っ』
「もちろん、一華ちゃんも浴衣でよろしく!じゃ、また後で」
そう言って電話を切った。