はじまりはミステイク



「私は一華ちゃんと他の友達と行く。藤山……彼氏は熱出て来れないって」


「そうなんだ?てっきり彼氏とだと思ってた」


そうこう言っているうちに、ある場所へ着いた。


「本当にいいの?野花公園まで送るのに」


「いいよ。ここからは近いし、帰りはバスで帰るから。紗枝ちゃんも楽しんでね」


そして紗枝ちゃんの車から降りたと同時に、白生地の浴衣を着た一華ちゃんの姿を発見した。


「一華ちゃん!来てくれてありがたや〜」


「いえいえ。じゃ、プリ撮り行く?」


そう、ここはゲーセン。せっかく浴衣を着たことだし、記念に撮りたいって一華ちゃんに言ったらオッケーをもらえたのだ。


「一華ちゃん、次キメ顔しよっ」


「こう?ぶはっ、まりりん面白すぎっ」


そして、一華ちゃんと撮ったプリを落書きする。


「一華ちゃん盛れてるー。私も化粧してるのに映えないなぁ」


「そう?まりりんいつもと雰囲気違うし、圭吾くんをドキドキさせられるんじゃない?」


そうだ、圭吾くんがいるんだった。



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