はじまりはミステイク
「化粧崩れてない?!」
「今のところ大丈夫。よし、落書き終わり」
そして、出来上がったプリを手にしながらゲーセンを出て、野花公園へ向かった。
「ケータイにも保存したから一華ちゃんにも送るね。よし、このプリ画は待ち受けっと」
「えー恥ずかしいからやめてよ」
「せっかくだもん。いいじゃん」
「おーい、天木っ」
一華ちゃんと言い合っていると、どこからか私を呼ぶ声。
「けっ、圭吾くん!」
私服姿の圭吾くんと友達であろう人が私たちの元へ駆け寄った。
「なに、2人とも浴衣なんだ」
「たまにはいいかなぁってね、一華ちゃん」
「そうだね」
「そっか。似合ってっぞ」
うわ、笑顔でそんなこと言われたらドキッとする。嬉しすぎる。一華ちゃんと目が合い、アイコンタクトで彼女に喜びを伝えた。
「それで、その隣の人は?」
「軽音部のヤツで、竜(りゅう)。結構クールだけどいい奴だしタメだからよろしくな」