はじまりはミステイク



圭吾くんの紹介後に無言で頭を下げた竜くん。本当だ、クールってか無口。話すの緊張するなぁ。


「ま、緊張するかもしんねーけど、そんな固くならないで。とりあえず屋台にでも行く?」


「うんっ」


それから私と圭吾くん、一華ちゃんと竜くんというペアで野原公園を出て屋台へ向かった。


「藤山の奴大丈夫か?」


圭吾くんから出た話題は、藤山のこと。


「さ、さぁ。ど、どうしてるんだろうね」


「連絡取ってないの?喧嘩でもした?」


「喧嘩というか、私が一方的に怒ってるだけで……」


喧嘩、じゃないよね?でも、藤山も藤山だし……。


「早いとこ仲直りしろよー?」


「う、ん。分かった」


「よし!あっ、かき氷うまそー。俺食べようかな。天木も食べる?」


目の前のかき氷屋さんへ歩き始めた圭吾くんが、チラッと振り返る。


「食べる!」


そういえばね、こうやって圭吾くんと出掛けるの初めてなんだ。だから、すごく新鮮で……ちょっぴり恥ずかしいけど、嬉しい気持ちもある。



< 79 / 246 >

この作品をシェア

pagetop