はじまりはミステイク
圭吾くんの紹介後に無言で頭を下げた竜くん。本当だ、クールってか無口。話すの緊張するなぁ。
「ま、緊張するかもしんねーけど、そんな固くならないで。とりあえず屋台にでも行く?」
「うんっ」
それから私と圭吾くん、一華ちゃんと竜くんというペアで野原公園を出て屋台へ向かった。
「藤山の奴大丈夫か?」
圭吾くんから出た話題は、藤山のこと。
「さ、さぁ。ど、どうしてるんだろうね」
「連絡取ってないの?喧嘩でもした?」
「喧嘩というか、私が一方的に怒ってるだけで……」
喧嘩、じゃないよね?でも、藤山も藤山だし……。
「早いとこ仲直りしろよー?」
「う、ん。分かった」
「よし!あっ、かき氷うまそー。俺食べようかな。天木も食べる?」
目の前のかき氷屋さんへ歩き始めた圭吾くんが、チラッと振り返る。
「食べる!」
そういえばね、こうやって圭吾くんと出掛けるの初めてなんだ。だから、すごく新鮮で……ちょっぴり恥ずかしいけど、嬉しい気持ちもある。