はじまりはミステイク
「ま、まぁね。生きてるかなーと」
「ぶはっ、熱くらいじゃアイツ死なねーだろ」
「それもそうだよね、あははっ」
藤山のこと、さっきは笑っちゃったけど、正直大丈夫かなって思いはある。
「あのさ、圭吾くん」
「お!次でっけぇやつだってよっ」
会場内の次の花火を知らせるアナウンスが流れ、圭吾くんが声を上げた。私の意識もすぐにそっちへ向かい、視線は夜空へ。
ドンッ
「わぁ!今の赤と緑!」
ドンッ
「うわぁっ、これ写真に撮っとこっ」
ねぇ、藤山。
私、今圭吾くんといて楽しいんだ。一華ちゃんと竜くんもいて、花火見に来て楽しいんだ。
でもね、何か物足りなさを感じるのは何でかな?
藤山が熱出ちゃったから?
藤山が……ココにいないから?
自分でも、よく分からないんだよ。
「まりりん、写真撮れた?」
「撮れ……ってブレブレ!?」
「俺も全然ー」
「俺撮れた」