はじまりはミステイク



あのね、竜くんの写真のセンスが上手すぎて驚いたんだよ。あとはね、買っていたポテトを一華ちゃんが地面に落としてみんなで叫んだんだよ。


そしてね、圭吾くんがいつもより話しかけてくれて嬉しかったとか……藤山に話したいことがいっぱいなんだよ。


花火大会も終わりに近づいた頃。


「ねぇ、また落とすとかナシな」


竜くんは、一華ちゃんが持っているたこ焼きを気にしている様子。


「っさい。もう落とさないって。なんならアンタが持って」


そう言って竜くんにたこ焼きを渡す一華ちゃん。意外とこの2人の組み合わせ好きかもしれない。


「もうすぐ終わるなー、花火」


すると、圭吾くんがポツリと呟いた。


「そうだね。あっという間だったなぁ」


なんだかんだワイワイ楽しめたもん。圭吾くんとも、一緒にいられたもん。


「天木」


すると、圭吾くんが私の名前を呼んだ。


「やっぱ、言うわ」


「え?」



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