はじまりはミステイク
「ココの近くにスーパーあっただろ?そこの近くの家が藤山ん家。表札あるから分かると思うよ」
圭吾くん?
「お見舞い行かないって言ってたけど、やっぱ気になるだろ?俺も行きてぇけど、まずは彼女の天木が行った方が喜ぶと思うし。な?」
「う……ん。行く。行ってくる!」
気付いたらそう返事をしていて、気付いたら足が動いて立ち上がっていた。
「あ!一華ちゃんは送り届けてね?1人じゃ心配だからっ」
それだけ言い残して、私はその場を去った。
人混みの中をかき分けて、やっとのことで道路に出た。スーパーって……どれ!?圭吾くん、3件あるよ!?
そう思いながらも、近くのスーパーから行き、表札を確認する。
背後からは花火の開花する音が聞こえる。道路脇にいるお客さんからも歓喜が上がる。
カランコロン……
慣れない下駄が脱げないように早歩き。
少しだけ汗ばむ体。額に汗が浮き出てるのも手で触れて分かる。浴衣も来た時より崩れちゃってるのも分かる。