はじまりはミステイク
それでも、藤山の姿を見たい。
藤山に、会いたい。
「はぁっはぁっ、あったぁ」
表札が藤山、の家を発見。すぐさまインターホンを……と思ったけど、もし違う人ん家だったら、という考えが浮かび押さずに手を引く。
とりあえず藤山に連絡しよう。ラインよりも電話の手段をとった私は藤山へ電話をかけた。
朝の電話っきり藤山には連絡を入れていないけど、今はそんなこと気にしている場合じゃない。
『……もしもし』
何コールか鳴った後、聞こえた藤山の声。
「や、やぁ。具合はどうだい?」
妙に緊張して言葉が出ず、裏返った声で体調のことを尋ねた私。
『朝よりはマシになった』
「そ、そうかそうか。それならよろしい」
まるで校長先生みたいな話し方になる。しっかりしろー私っ。
『花火は?まだ終わってないでしょ?』
花火大会のことを気にする藤山。