はじまりはミステイク



「そりゃそうだよね。来た時より汗で化粧も崩れて、浴衣も崩れちゃってるし」


ちぇっ。いつもと違う私を見てもらって、藤山を驚かそうと思ったのにな。


「でも、それでも俺に会いたかったんだね」


「!?」


「だから来てくれたんでしょ?あれ、違った?」


なんだなんだ?藤山の奴、ニヤッとしやがって。


「病人だから心配で来ただけっ」


「なーんだ。でも、そういう理由の割には外に出させたよね」


「ほら、部活三昧で気分転換出来てるかなぁって思ったのっ」


花火を見ながら話す。お互いの口から、ポロポロと言葉が溢れて、沈黙になることがなかった。


「あ!今は化粧も浴衣も崩れてるけど、プリ撮ったから送るよっ」


「いや、いらな」


♪〜♪〜♪


藤山のケータイが鳴る。私が送った一華ちゃんとのプリ画が藤山に届いた。


「うわ、これあまり?」


「そうだよ。まぁ、元がいいからよく見えるのかな」


「余計なこと聞こえたけど、待ち受けにしようかな」


え。



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