はじまりはミステイク
そうだ。
私は圭吾くんが好きなんだよ。
ほら、告白だって圭吾くんにしようとしたんだよ。
今日だって、圭吾くんに何度もドキドキしたんだよ。
「だから、俺なりに協力しただけだよ」
だけど、何でだろうね。
藤山の協力を……喜べない自分がいるんだ。
「ふ、藤山にしてはいいことするじゃんっ」
「もうちょっといい褒め方してよ」
見栄を張ってしまう。
「これでもいっぱいいっぱい褒めてる!」
いっぱいいっぱいの強がりを見せてしまう。
ねぇ、藤山。
藤山にとって私って、何?
「おーい、ここにいたのかよ」
すると、圭吾くんと一華ちゃん、竜くんの姿が見えた。
「お邪魔してごめんな?花火終わったし、天木も帰るなら一緒にと思って来てみたけど」
申し訳なさそうに私と藤山を見る圭吾くん。
「かっ、帰るよっ。みんなと帰る!」
そう言って立ち上がる私は、ささっと一華ちゃんの隣へ向かった。