はじまりはミステイク
「……変なの」
藤山といるのが嫌じゃない。
藤山と話をするのが嫌じゃない。
翌日。
「あっつい……体育館の熱気やばすぎ」
藤山の試合がある体育館へ足を運んだものの、中の熱気にやられ早くもバテそうになった私。
今日は一華ちゃんはバイトだから、私1人で観戦に来たのだ。服装とか分かんなくて、とりあえず前回と同様の制服。そして、藤山に言われたようにうちわと水筒を持参。
「こんなにむさ苦しい中で試合だなんて、暑そう……」
そんなことを思いながら、二階席へ行き後方の空いている席に腰を下ろした。
「後ろ過ぎて見えないでしょ」
すると、背後から誰かの声。
「あっ、圭吾くん!観に来てたの?」
「おう。天木前の方行こうぜ。ココからじゃ遠くて見えねぇだろー?」
そう言う圭吾くんに急かされ、端っこの前列の席へ腰を下ろした私達。