愛されることを知らない孤独なお姫様
「秋」

振り返るとさっきまで女の子たちに囲まれていた陸斗がいる

「なに。」

さっきのことがやっぱりモヤついてトゲトゲしい返事になる

「なんで怒ってるの?」

「別に怒ってない。」

「怒ってる。いや、拗ねてる?」

怒ってるし拗ねてるよ!

なんてこと言えるわけない

彼女でもない私が陸斗に嫉妬してどうするの?

あの家にいた時と同じ、冷たい心に戻りたい

「なんでもないよ」

笑いながら言った

うまく笑えてるかわからないけど

「海入るか?」

「うん!」

なんとかごまかせたかな?

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