愛されることを知らない孤独なお姫様
「へー、桜華を知らないなんて珍しいね。
結構人気あると思ってたんだけどなぁ。」


この人、自意識過剰なのかな?


「あ、別に自意識過剰とかじゃないからね?
俺達は結構権力のある族なんだ。
だからほぼの人たちが俺達のことを知ってるんだ。」


そんなに大きい族なんだ。


「なんかすごいですね。」


「お、わかってくれる?
とりあえず、これから桜華について知ってもらえれば嬉しいよ^^」


「秋。」


「ん?」


「眉間にシワなんて寄せちゃってどーしたの?(ニヤニヤ)」


「うるせー。これメットかぶれ。」


「これ?」


「おう。バイク乗せてやるから。新しい世界に連れてってやるよ。」


新しい世界

そこはどんな色の景色だろう?

想像してみるけど、長い間冷たい空気の中にいた私には見当もつかない。


「New World」


ひとり、確かめるように呟いた声は風に運ばれて消えていった。
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