愛されることを知らない孤独なお姫様
「秋お嬢様...。」

「相葉さん。」

「戻ってきたのですね」

「ええ。戻ってこなければならないと思ってね」

「千秋様はここに来るのを知っておられます。部屋で待っていると思います。」

「相葉さん、ありがとう。」

「私は所詮雇われている身。秋お嬢様を助ける事はできません。どうか、ご無事で。」

「大丈夫よ、ありがとう。気持ちだけで嬉しいわ」

「これから先、きっと後継者のために今まで以上に厳しくなられると思います。」

「ええ、わかっているわ。」

「どうか...ご無事で...。」

「ありがとう。」

相葉さんがこんなにも私のことを思ってくれているなんて知らなかった

本当にその気持ちだけで嬉しい。

ありがとう、相葉さん。
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