愛されることを知らない孤独なお姫様
それから私はお母様の部屋へと向かった

トントン

「入りなさい」

「失礼します。」

扉を開け一歩前に出てからお辞儀をする

「一体何を考えているわけ?」

「...。」

「貴方は橘財閥の後継者となるものなのよ?」

「お姉様の変わりですか?」

「?」

「お姉様がいなくなった今、仕方なく私が後継者となっただけでしょう?」

「何を言っているの?」

「私は、後継者になりたい訳じゃない。なんで、自分の運命まで全てお母様に決められないと行けないんですか!?」

「令嬢として生まれた宿命よ。」

「そんな宿命いらない!好きで橘家に生まれたわけじゃない!」

「子どもが知ったような口を聴くのはやめなさい。」

子どもは意見を言っちゃいけないの?

大人は良くて子どもはだめなの?

そんなのはもう聞き飽きたよ

「私はこの家と縁を切ります。」

「馬鹿なことを言うのは辞めてちょうだい」

「本気で言っています。私はもうここの生活には耐えられない。後は勝手に、養子でも取るなりなんなりして後継者として育てればいいじゃないですか。」

「何をわけのわからないことを...」

「わけわからないのはこっちの台詞です。とにかく、私はこの家と縁を切ります。」

「怒るわよ。」

「今までお世話になりました。さよなら。」

「捕まえなさい。」

お母様がSPたちに声をかけた

とたんに私はSPたちに囲まれる

こんなことになるくらいわかってた

でも、言いたい事は言った

後は、私の運命しだい。
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