愛されることを知らない孤独なお姫様
「今日も朝が来てしまった...。」


朝が来たということはまた地獄のような1日が始まるということ。


「黒崎さん。」


「ん?」


「ちょっとトイレに行ってくる。この近くのコンビニで」


「あぁ、わかった。気をつけてな。」


「うん」



背を向けた瞬間涙が頬を伝った。

本当はトイレなんて行かない。

家に、あの籠の中に戻るために付いた嘘。

私たちはもう2度と合うことは無い。

今から帰れば7時を過ぎてしまう。

私は2度と外の世界へ足を踏み入れることは無いのかもしれない。


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