愛されることを知らない孤独なお姫様
「とりあえず、部屋に入ってなさい。」

「はい。」

「ねーね、秋」

「どうしたの、志緒理?」

「秋の部屋行ってみたい!」

私の部屋?

「別にいいけど、何も無いよ?」

「いーのいーの。行こ?」

「うん」

なんかこういうの友達って感じで嬉しいな

「じゃぁ、どうぞ」

部屋は汚くないよね

いたって物はあんまり無いし大丈夫だよね

「わぁ、広い!」

「これ秋だけの部屋?」

「広いね」

「この広さでひとり部屋なんですか?」

「広っ!!!」

そうかな?
そこまで広くはないと思うんだけどな...

「陸斗、このくらいだよね?」

「俺ん家もこれくらいあるな」

「そうだよね」

「金持ちの感覚ってそんなもんなの?」

よくわからないけど、まぁ、こんなもんなんだろう

「あ、志緒理」

「んー?」

「ちょっとこっち来て」

志緒理をクローゼットへ連れてきた

「わぁ、すごい」

「好きなの選んで、着てみて」

「え...?」

「志緒理に似合うと思うんだ。」

お世辞じゃないよ?

今までの沢山志緒理にお世話になったから

こんなんじゃお礼になんてならないかもしれないけど...。

「秋...、ありがとう!嬉しいよ」

「喜んでもらえて良かった」

「秋が見立ててくれない?」

「私でよければっ!」

志緒理はスタイル良いから身体のラインが出るやつの方が良いかな

それと、色は淡い水色で

「志緒理、これ来てきてくれる」

「すごい綺麗だね。ありがとう!!!」

「それ着たらここに座ってくれる?メイクするから」

「何から何までどうもありがとう」

「いいのいいの」

志緒理はいつもナチュラルメイクだからたまには少し濃くしてみようか

ケバイのは好きじゃないから本当に少しなんだけど...

それに肌が白いからピンクとか映えそうだなぁ

よし。髪の毛はアップにして巻いて前髪は斜めに固めて...っと

アクセサリーは...どうしようかな

「これ、付けてもいい?」

「綺麗...。」

志緒理が出したのは淡い水色のピアスだった

「光輝がくれたの」

「ドレスにあうし綺麗だし凄く良いと思う」

光輝っていいセンスしてるな笑

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