愛されることを知らない孤独なお姫様
「ん...」

頭がボーとする中起き上がると何処かの部屋らしきところにいた

そうだ...私拉致られたんだっけ?

不思議と頭の中は冷静だった

ただ、拉致られる前に薬をかがされたせいで少し頭が痛い

それよりも...志緒里は何処だ?

手足を縛られているせいで身動きは出来ないがなんとか視線を漂わせる

この部屋にはいないか...。

そんなことを思っているとドアの方から足音が聞こえてきた

部屋に入ってきたのはあまり背の高くない男だった

「なんや...、起きたんか。」

そういえば毒牙の総長は関西出身って龍哉が言ってたな...。

(桜華下っ端まとめ役の人)

「片方の姫もええ顔しとるがこっちもええな」

「悪いけど私は姫じゃないわ」

「あ?」

私は下っ端として桜華に入った
だから姫じゃない

「私は桜華の姫じゃないっていってるの。」

「嬢ちゃん、威勢がええのは認めるが誰が信じるかいな。」

「私は下っ端として入ったの。だから姫じゃない」

「...」

真実を言うとしばらく考え込むように黙った

「姫かどうかはどうでもええんや。桜華が潰れればな」

そう言ってニヤッと笑った顔が狂って見えた

「それより、志緒里はどこ?」

「あの嬢ちゃんは志緒里っていうんか?心配しなくてもすぐに連れてってやるわ」

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