愛されることを知らない孤独なお姫様
「くそ、女のくせして...」

やっぱり女の攻撃力なんて男にとってはちょろいものですぐに立ち上がりもう1度向かってきた

大丈夫、焦るな

私の今の役目は桜華の姫、詩緒里を守ること

女の私だって少しは時間稼ぎになる

絶対皆は助けてくれるから、大丈夫

自分を信じろ。
今までやってきた稽古で学んだことを今こそ発揮する時

「スゥー...ハァー...」

大切なのは冷静になること

冷静にならなければ咄嗟の判断を間違えてしまう

幸い相手が持っていたナイフははらった

「詩緒里、奥に逃げてて」

私の得意とする技は相手の力を利用して投げる

詩緒里が近くにいてそこへ投げてしまったらやばい

「気をつけて、秋」

「うん」

「女のくせして意気込んでんじゃねぇぞっ」

「女で悪かったわね。女だからって意気込んじゃいけないのかしら?」

「余裕こいてられんのも今のうちだぜ?」

相手は拳を思いっきり振り上げた

パシッ

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