愛されることを知らない孤独なお姫様
「でも、3男で良かったって思ってる。」


「なんで?」


素直に思ったことを口にする


「だってよ、御曹司生まれたってだけでたくさんのことから縛られる。
自由をそこらへんのやつより奪われちまう。
世界ってさ、頭のいいヤツとか仕事ができるヤツとかいい人生歩んでるって感じするけど、実際は人生楽しんだもん勝ちだと思うんだよな。
せっかくこの世に人間として生まれてきたんだから、楽しみてーじゃん?
ま、結局はこの世界に自由なんてもんは無い。
だから、自分の人生楽しかったらそれでいいじゃねーの?って俺は勝手に思ってる」


そう言って笑った陸斗に目を奪われた


それにその通りだと思った。


人生楽しんだもん勝ち


この言葉は胸にグサッときた



「黒崎さん。」


「陸斗でいいよ。」


「り、陸斗。私も人生楽しめるかな?」


緊張しながらも名前を呼んで問いかける


「それは俺にはわかんねぇな。」


「そうだよね...。」



私はずっとこのままなのだろうか。



「人って俺の中では3種類の人間がいるんだ。
将来が決まってるバスがあるとするだろ?
①バスに永遠に乗り続ける奴
②最初からバスに乗らない奴
③途中でバスを降りる奴
永遠に乗り続ける奴はそのまま決められた人生を歩んでいく。
最初からバスに乗らない奴は永遠に乗り続ける奴より苦労は多いけど好きなことができる。
途中でバスを降りる奴は人より外の世界を知らないから大変。だけど残りの人生自分なりの自由を手に入れられる。

価値観の問題もあると思うけど、①も②も③も人それぞれだけど、なんだかんだいってどれも苦労する。

自分がどれを選ぼうが結局は苦労するけど、縛られてるよりは自分で決めた道を歩いた方が俺は幸せだと思うよ?」


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