愛されることを知らない孤独なお姫様

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「おはようございますお嬢様。」

今日も見事にそろった声とお辞儀の角度をキープしている執事とメイドが挨拶をする。

「おはよう。」

適当に挨拶をして席に着く。

「お母様とお父様は?」

椅子を引いてくれた執事に問いかける。

「今朝早くにお仕事のためニューヨークへ行かれました。」

「そう。いつ戻るの?」

「しばらくかかるとのことです。」

「わかった。」

またか。
もうこんな会話にもなれた。
お父様とお母様と最後に食事したのはいつだったか...

もう覚えてないほど昔のことだ。

しばらく顔も合わせていない。

慣れてるって言ってもやっぱり日に日に心は冷たく凍っていく。
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