愛されることを知らない孤独なお姫様

そうして分刻みのハードスケジュールが始まった。


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「お疲れ様でしたお嬢様。ゆっくりお体をお休めください。」


本当にそんなこと思っているのだろうか。

そんなことを思いつつ自分の部屋へ戻る。

0︰32

もう日付が変わっている。

でも寝てしまったら...また地獄のような1日が始まってしまう。

温度のない1日。

親がいない寂しさを忙しいスケジュールで適当に埋めている気分だ。

「疲れた...。」

この家にいることに疲れた。

この家から出ていったら自由になれるのだろうか?

鳥のようにこの空を、この世界を自由に飛び回りたい。

少しだけ、明日の朝までに帰ってくればいい。

私の知らない世界を見てみたい。
ほんの少しでいい
自由になってみたい。

ほんの少しの出来心で外の世界へ足を踏み出すことにした。
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